明瞭度で調整する水面の表現

最近は道路の空いている深夜1時~2時頃に家を出て、車の中で仮眠してから日の出と共に早朝のサーフィンをしています。

海に入る前の日課なのが早朝の写真を撮ることです。

朝夕は短時間で色々な光の表情が見れるので、空が明るくなってきてから太陽が水平線から顔を出すまでの撮影タイムも楽しんでいます。

恐らく海に限らず、様々なシーンで「水」が絡んでくる場面はあると思います。

風景の中でも「速く動く」被写体ですので、撮影時のシャッタースピードや使うレンズなどによって表現のバリエーションも豊富な被写体だと思っています。

今回はそんな水面の表現を「明瞭度」を使って調整する例をご紹介します。

 

使ったカメラ(Nikon Coolpix7100)

 

 

NikonのCoolpix7100です。比較的大きなコンパクトデジカメで、

  • イメージセンサーに1/1.7インチの少し大きなCCD(CMOSではなく!)
  • RAWモードが搭載されていて
  • マニュアルフォーカスができる
  • NDフィルターが内蔵されている

と言うことで記録撮影用として数年前に購入したものですが、今ではミラーレスにその座を譲っています。

今では車にずっと積みっぱなしにして、何か急に撮影したいものがあった場合のデジカメでサーフィンに行く時にはだいたいこれです。

このカメラの絵はしっかりしていて線も細く、もしかして「ローパスレス」もしくは「ローパスがものすごく弱い」カメラなのではないかと思います。

ノイズは多いですが低感度の画質は今でも十分使えると思っています。

明瞭度について

明瞭度は「調子」コントロールの中にあります。

被写体に応じたコントラストを自動でコントロールし、質感をはっきり鮮明に見せたり、ぼんやり滑らかに見せたりすることができます。

シャープネスと似ていますが、シャープネスと明瞭度が違うのは

シャープネス

主に鮮明な輪郭に効果があります。

明瞭度

ある程度不鮮明な輪郭やコントラストの低い被写体にも効果があります。また効果を逆に弱めることもできます。

 

明瞭度なし

カメラの最小絞り(F8.0)まで絞り込んで、感度も最低のISO200。内蔵のNDフィルターを使うことでシャッタースピードを1/4まで落として撮影しました。砂浜に対して動きの早い水面はブレて流れています。この水面をどのように見せるかがポイントですね。

 

明瞭度マイナス100

 

明瞭度をマイナス側に設定することでざわついていた水面が滑らかに再現されました。スローシャッターの表現を活かしたければこちらの方が良いかもしれません。

波が引いて、砂浜に染み込んでいくイメージはこれが一番良い感じ。

 

明瞭度プラス20

逆に明瞭度をプラス側に設定すると水面の模様が細かい部分まで強調されます。シャッタースピードを速く設定し、動きを止めた撮影の場合はこちらの方が合っているかも知れません。

 

部分的に拡大して比較

部分的に拡大するとその違いがもっと良くわかると思います。ここで注意するポイントとしては

明瞭度をマイナス側に設定した場合

滑らかになる分、写真の解像感が失われたように見える場合があるので、細かい描写が必要な場合には下げすぎに気をつけてください。

明瞭度をプラス側に設定した場合

質感も強調されますが、ノイズも同時に強調される場合があります。高ISO感度撮影時などはノイズの量に気をつけてください。

 

豆知識

トップの画像はPhotoshopで画像に文字を入れていますが、フォント(書体)の「メイリオ」の由来は「明瞭」が由来らしいですね。

 

「メイリオ(Meiryo)」の語源は日本語の「明瞭」に基づき、画面上で見ても印刷しても極めて明瞭で読みやすいところから名付けられた。メイリョウでなく「メイリオ」であるのはアジア情緒な響きと「メイリョウ」より1文字少なくて済むためである。(出典:wikiぺディアより)