被写体の輪郭や質感を鮮明に表現するのには「シャープ」と「明瞭度」の2つの機能が有効です。
この2つは効果も少し似ていて使い分けが難しいところではありますが、ここでその一例をご紹介します。
シャープ/明瞭度なし
ピントは来ていますが、もう少し質感を向上させインパクトのある誇張表現に仕上げたいと思います。硬いライティングで印象的なイメージを狙って撮影しているのでそれを活かすための隠し味です。
明瞭度
明瞭度を使用し、質感は肌感の向上を狙います。はっきりとしましたが、以下問題点に気付きました。
- ぼかした背景もはっきりとしてしまい、画面がうるさく感じるようになった。
- チェロの弦の太さが太くなってしまった。
- 肌の色が濁ってしまった。
明領度は、はっきりとしていない輪郭のコントラストも強くするパラメーターなので、その効果は色々な所に効いてきます。
この写真の場合、特にぼけた背景にまで効いてきてしまうと写真の雰囲気自体が変わってしまいます。
- 背景をぼかした写真で明瞭度を使う場合には、ぼけにも効果が効いてきてしまう場合があるので注意してください。
シャープ
シャープは比較的、もともと輪郭のはっきりとした部分にのみ効果がかかります。
そのため、背景のぼけにはあまり影響が出ずピント面付近に効いてきますのでこの場合はシャープを強めに使った方が自分のイメージに近い感じです。
まとめ
明瞭度とシャープの使い分けの判断基準のひとつは「アウトフォーカス」した部分に効果が「ある/なし」があると思います。
その辺を考えどちらを使うのか選ぶのと良いと思います。
明瞭度についてはSILKYPIX のWEBサイトで以前記事を書きましたのでこちらもぜひ参考にしてみてください。