「光の3原色」や「色の3原色」など聞いたことがある方もいらっしゃると思います。今回はデジタルカメラのデータとプリントなどの印刷物の違いについてのお話です。それぞれ得意/不得意な部分や特徴がありますので、理解しておくと良いのではないでしょうか?これを知っていると写真が上手くなるのかどうかは別の問題ですけどね!
光の3原色
まずは「光の3原色」についてです。光の3原色は
- 赤(Red)
- 緑(Green)
- 青(Blue)
です。この3色の色の掛け合わせの比率を変えることで色を表現しているのが、皆様がデジカメで使うJPEGなどのRGBデータです。
RGB画像は色と色が重なった部分では明るくなり、3色が全て重なると白になることから「加法混色」と呼ばれていてます。舞台の照明などにこの原理が使われるのはよく聞く話ですね。
RGBデータの鮮やかさ=液晶モニターのRGB
RGB画像を表示できるのは、今では液晶モニター(プロジェクターなども)です。液晶モニターは赤青緑の小さな点が発光していてそれぞれの強さで色を表示しています。
ですのでたとえば純色の赤(R255, G0, B0)の画像データを表示した場合にその時の色は液晶モニターの最大の赤の鮮やかさ※となります。同じく緑や青についても同様です。
そのため、RGBデータを見た時の鮮やかさと言うのはモニターが持つ鮮やかさに依存します。
※カラーマネージメントしない場合
色の3原色
次に「色の3原色」についてです。色の3原色は
- シアン(Cyan)
- マゼンタ(Magenta)
- イエロー(Yellow)
です。この3色の色の掛け合わせの比率を変えることで色を表現しているのが、プリントなどの印刷物です。(黒を含めCMYKとされる場合もあります。)
CMY画像は色と色が重なった部分では暗くなり、3色が全て重なると黒になることから「減法混色」と呼ばれていてます。インクジェットプリントや商業印刷は原理的にはこちらになります。
CMYの画像の鮮やかさ=インクのCMY
CMY画像を表示できるのは、インクなどを使用した印刷物です。
ですのでたとえば純色の黄色(C0, M0, Y100)のCMYデータを印刷した場合にその時の色はインクの持つ最大の黄色の鮮やかさとなります。同じくマゼンタやシアンについても同様です。
そのため、印刷物の最大の鮮やかさと言うのはインクの持つ鮮やかさに依存します。(掛け合わせると暗くなり鮮やかさもなくなるため、インクの純色がMAX。)
色が2色重なった部分に注目
光の3原色(RGB)で2色の色が重なった部分を見ると「CYM」の色をしています。RGBデータでCMYを表現するには色同士を掛け合わせることになります。そして「加法混色」で明るくなるため、このCMYは明るく鮮やかな色の方向性が得意となります。
一方色の3原色で2色の色が重なった部分を見ると「RGB」の色をしています。CMYインクのプリントでRGBを表現するためには色同士を掛け合わせる必要があります。そして「減法混色」で暗くなるため、このRGBは暗くなりますが、2色が掛け合わさっているため深みのある色の表現が得意となります。
まとめ
- 「RGB」、「CMY」共に色同士を掛け合わせる事でカラー画像を表現します。
- RGBは加法混色なので掛け合わせると明るく鮮やかになります。そのため液晶モニターなどは鮮やかな色再現が得意です。
- CMYは減法混色なのでインクを掛け合わせると暗くなります。しかしプリントでは2色を掛け合わせる事で階調は増えるので深みのあるシャドー表現が得意です。
※最近のインクジェットプリンターは掛け合わせによるRGBの鮮やかさの低下を抑えるために赤や青、緑のインクを搭載したものも出てきていますので実際にはモニターとプリントの差は縮まってきています。しかし「プロセス4色」と呼ばれる商業印刷など一般の印刷物ではほとんどがCMYKなので再現できる色の範囲は少し違います。
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