光を活かすシャドーセッティング

 

ハイライトを強調したい

最近は学生の時に買ったギターをクローゼットから引っ張り出してきて弾いています。しばらく放置していたので金属のパーツは雲ってしまっていたので、少し磨いてきれいにしました。そのついでにギターの形や質感が出るように自然光でライティングし撮影しましたがもう少し金属の質感や光っている感じを出したいところです。

参考にトーンカーブのヒストグラムを見るとハイライト側にはまだ余裕があり、普通だとハイライトをレベル補正し「明るい部分をより明るく」すればより金属は輝くのだろうと思うので補正してみます。

 

ハイライトのレベル補正

トーンカーブの右側の三角を内側に移動させるとハイライトがより明るくなります。これは「レベル補正(ハイライト側)」と呼ばれている補正の方法です。シャドー部の暗さはそのままで明部のみを明るく調整する時に使用します。

しかし、写真を見ると金属の部分はデータ上明るくなっている(白に近づいている)ものの、そんなに輝いているようには見えませんし立体感も弱くなってしまったように感じます。これは、レベル補正により写真全体が明るくなってしまうため影も弱くなってしまったからです。

 

光を強調するために暗部を調整する

そこで、光を強調するためにハイライトを調整するのではなく、トーンカーブの左側(暗い部分)を下げ暗部を暗く調整してみます。こうすると元々暗かった部分はより暗くなるために影の雰囲気が強くなります。その結果ハイライトがより光っているように「見える」のです。写真の明暗は、その写真の中での「明暗のバランス」で成り立っていますので、シャドーの階調を調整することでハイライトが引き立って見えるようになります。これはいわゆる「写真の持つ雰囲気」なのでRGB値やEV値などでなかなか判断できる部分ではありません。「明るい部分を引き立てるシャドー調整」ぜひ機会があればお試しください。