印刷会社は紙の商社?

先日印刷会社の「生産管理」に就いていたとご紹介しましたが「生産管理」の主な業務内容は

  • 納期管理
  • コスト管理
  • 品質管理
  • 外注管理
  • 営業窓口

でした。営業部を含め、各部門や事業部をまたいだ運用になるので事務所は工場ではなく都内にありました。

印刷の工程は図で示した通り受注が決まると受注金額の中から、社内の各工程へ売り上げが自動で割り振られます。

ここで一番大事なのが「購買」の粗利です。この粗利率は規定がありほとんど動きません。

印刷会社は

  • 大量仕入れ
  • 大量生産

にコスト的メリットがありますので、資材である用紙粗利がとても重要なのです。

ちなみにこの図の中で「購買」は本社機構で、他は別事業部です。

 

購買の取り分が決まったら、それを引いた中で各工程の売り上げがシステムで自動で割り振られる訳です。(場合によっては手作業で調整したりはしますが。)

購買以下の製造工程では赤字にならなければそのまま生産に入ります。

工場は利益も当然の事ながら、稼働率も大きな課題ですのでそちらを優先させる場合が多いです。

要するに印刷会社の利益の源泉を見たときには紙の商社的側面も大きいのです。

 

社内と外注


生産工程では生産管理が社内と外注に振り分けます。

その際にポイントとなってくるのが、

  • 粗利

支払が発生しますし、外注さんも利益を乗せて来るのであまり粗利率の低いものは発注できません。

その場合は社内に投入します。

  • 印刷数量の多いもの

現実問題、大きな数量をさばける工場を持った外注はそう多くはありません。中小規模の会社に無理をして大きなロットの仕事を投入すると、他の案件が止まる可能性もあります。そんな外注先の事業リスクを考え数量の大きなものは社内へ投入します。一方、社内は「稼働率」が欲しい所なので、大きなロットは歓迎です。

  • 急ぎの案件

これも社内の仕事になる場合が多くなります。案件によっては印刷中のものを止めてまで、急ぎのものを入れたりします。そんな無茶振りもたまにはやらなくてはなりません。

  • 特殊な印刷物

外注先によっては特殊な印刷物が可能な会社があります。そのような所と連携して製造を進めていきます。

 

生産管理にいた頃は、社内/社外問わず製造部門の方々に色々と助けられました。