【古いAFレンズをRAW現像で仕上げる】Canon EF70-210mm F4

Canon EF70-210mm F4

HARD OFFで3,000円位で購入したものです。

CanonのHPによると1987年(昭和62年)に発売されたレンズです。

自分が1975年(昭和50年)生まれなので中学生位の時ですので、発売時の事はあまりよくわかりません。

最近でこそAFレンズのピントリングのフィーリングはとても良くなって来ていて、適度なトルク感があったり動きも滑らかだったりします。

少し前のものはピントリングのトルクがスカスカなものも多く、正直あまりマニュアルフォーカスで使う気にはなれませんでした。

このレンズはそれよりもさらに前のもので、ピントリングがおそらくギアの関係でジャリジャリな感じで引っかかりもあったりします。

オートフォーカスも現在のものに比べると遅いし、精度もあまり出ないのでジャリジャリでもマニュアルフォーカスで使った方が何かとストレスにならないと感じています。

マニュアル露出をで開放を使う時にズームするとF値が変わってしまうのは何かと使いにくいので、F4通しなのが少しうれしい所です。

それと今は見かけない直進ズームです。慣れればそれほど使いにくいものでは無いように思います。

何よりもマウントアダプターなど使わないでもそのままEOSデジタル一眼で使えるのがこの年代のレンズのお気楽なところです。

 

F値によるボケ方の違い

使用したカメラはCanon EOS Kiss X3です。

望遠レンズと言う事でまずはボケ方が気になる所です。

購入してから数年経っていますが、しばらく放置していたのでちゃんとテストしたのは初めてかも知れません。

  • 被写体までの距離 = 約2m
  • 被写体から背景までの距離 = 約1.5m
  • レンズ焦点距離 = 70mm

でF値を変えて撮影しました。


F4(開放)

F5.6

F8

F11

F16

F22

 

開放でもそんなにトロトロにボケる訳ではなく、意外と使いやすいのではないかと思います。

ただ、ボケ方は少し2線ボケ気味でうるさい感じです。

イメージセンサーがAPS-Cと言うこともあり、周辺の光量低下や像の流れはあまり気になりません。

 

F値によるピント面の解像度

F4開放では被写界深度が浅い事もあってややモヤっとした感じがします。

F5.6~F11位までは回折の影響もそれほど酷くありません。

F16以上で少し解像感が落ちてくる感じですが、F16は解像度をそれほど必要としない写真の場合では被写界深度優先で絞って使うのもアリかと思います。

撮影例

EFレンズらしい強すぎない適度なコントラスト感です。後ろのネットのボケが気になりますがこのレンズの持ち味としておくことにします。

シャドーが浮き気味ですが、それが逆にハイコントラストな被写体の場合は優しく表現してくれる気がします。

ある意味最終的なコントラストはRAW現像時に決めるのが良いかも知れません。

 

順光と逆光をRAW現像で仕上げる

このレンズに限った事ではないのですが、フィルムカメラ用のレンズをデジタルで使うと逆光時にはコントラストが低下してふんわりした雰囲気になる場合があります。

そのため、順光と逆光では別のレンズを使っているかと思うほど、違った雰囲気の画が撮れる場合があります。

そのため、RAW現像で仕上げる場合もコントラストの調整方法を変えるとその雰囲気がより強く出ます。

RAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro9」で調整していきます。


順光の場合

標準のコントラストでは少し暗部が浮いた感じになっています。また、鮮やかさも弱い気がします。

調子を「超硬調」に設定しコントラストを高く設定します。これはレンズのコントラストが低いのを補う為です。ある意味古いレンズっぽさはなくなりますが暗部も適度に締まり鮮やかに見えます。


逆光の場合

標準のコントラストでは、写真全体の雰囲気に対して光の当たっている部分が少し硬い感じがします。

調子を「超軟調」に設定することで、フレアっぽい感じを強調しました。ハイライトの硬さが無くなり、より光の雰囲気を強く感じる仕上がりになりました。