京成稲毛の「夜灯(よとぼし)」祭りへ
自分の住む千葉市は東京のベッドタウン的な感じなので、京都や奈良、東京などと比べるとそんなに伝統的な行事が多くあるわけではありません。
今回撮影に行ってきた「夜灯(よとぼし)」も数年前から町興し的に始められた新しいお祭りです。
地域の子ども達や団体が灯篭に絵を描いて灯篭を作り、それを道路や公園などに並べて楽しむ灯篭祭りです。
「夜灯」が開催される町「京成稲毛」は東京湾の埋め立てが行われる前は沿岸部の漁師町だったようです。その当時は遠浅の砂浜が続いていて潮干狩などで有名だったと聞きます。
それが埋め立てによって今では内陸部になりましたが、当時の漁師町っぽい佇まいはや風情は今でも少し感じる事ができます。
新月の夜稲毛の海では、波が引いた後の潮だまりにカンテラを置いてそのあかりで魚を獲る遊びの漁、「夜とぼし漁」が行われていました。たくさんの小エビや魚が獲れたといいます。稲毛の浜にカンテラのあかりがポツリポツリとついていく、稲毛あかり祭「夜灯(よとぼし)」は、その光景を稲毛のまちに再現しています。
MIX光を調整する
今回は俗に「MIX光」と呼ばれる場合の調整例です。
「MIX光」とは異なる色の光源が一枚の写真の中に複数存在している場合の事を言います。
例えばこんな感じ。
- 一つ目は「灯篭に照らされている部分」で「電球色」に近い色をした光に照らされています。
- 二つ目は「道路の街灯に照らされている部分」で「蛍光灯」に近い色をした光に照らされています。
この写真のカメラのホワイトバランス(業界用語で略して「ホワバラ」)はオートホワイトバランスで撮影しています。
メーカー問わずカメラのオートホワイトバランス機能ではどこかにホワイトバランスを合わせようとする傾向があります。
今回の例では恐らく灯篭の「電球色」を色かぶりだと判断して「電球」に近いホワイトバランスを設定したのでしょう。その結果灯篭の魅力である温かみのある「電球色」の色味は弱くなり逆にクールな感じの色合いになってしまっています。
このように、オートホワイトバランスはその照明の色味を残したい場合には不向きです。
また複数の光源が一枚の写真の中に合った場合、どちらにホワバラを合わせるのかはカメラ任せになってしまうため、期待する結果と異なる場合も多く出てきます。
とは言うものの・・・
スナップ撮影などではシーン毎にホワバラをマニュアルでカメラに設定するのは時間的にも手間的にも至難の業です。
その場合、オートホワイトバランス+RAWで撮影しておきRAW現像時にその写真に合ったホワイトバランスを設定すると良いと思います。
WBを調整する
撮影時設定(オートホワイトバランス)
撮影時設定ではかなり色温度が青くなっています。これでは「電球色」の赤味は消えてなくなってしまいます。また、手前の道路の辺りの色調を見ると少し緑色に見えます。
ホワイトバランスを調整
色温度をオレンジ色の方向へ調整します。5000Kから5500K付近に設定すると見た目に近い色に電球の色が再現されます。また、色偏差をマゼンタ方向へ調整。緑かぶりを除去し温かみのある電球色を目指しました。
まとめ
今回はいくつかポイントがあります
- 一枚の写真に設定できるホワイトバランスは一つ。
- 複数の色の光源が一つの写真の中にあった場合、オートホワイトバランスではどちらを補正するかわからない。
- マニュアルホワイトバランスをシーン毎にカメラで設定できない場合もある。
- そのため、RAWで撮影して画面を見ながら現像時にホワイトバランスを設定する。
- ホワイトバランスは照明の色味を引き出すのにも使える。
こんな感じです。