はじめに
デジタル一眼レフが出る前のオートフォーカスレンズは使い勝手は今のレンズと変わりませんが、中古での販売価格がとても安いものもあり、遊ぶにはとても気軽(価格的に)です。
ただ、いわゆる「デジタル対応」では無いのでデジタルカメラで使った場合には色々な癖が出てくる場合があります。その癖を活かしても良いですし、RAW現像で補正するなどSILKYPIXを使う事で楽しみ方は様々です。ここではそんな「オールドレンズ以上最新レンズ以下」のレンズとSILKYPIXの組み合わせでの写真を仕上げた例をご紹介します。
CANON EF 28-80mm f3.5-5.6 USM II
1993年(平成5年)に発売されたレンズです。確かHARD OFFで2,000円で購入したものだったと思います。今回はEOS Kiss X3に装着して使用しました。35mm用のレンズなのでAPS-CのEOS Kissに付けると換算約45-128mmの中望遠位の画角になるのでしょうか。
多分フルサイズのカメラで使用すると周辺部の解像度や光量など色々問題も生じてくるのではないかと思いますが、少し小さなAPS-Cのイメージセンサーだと周辺はそれ程気になりません。
オートフォーカスもUSMが付いているので、ジーコジーコ言わずに静かで比較的早いと思います。プラスチックマウントですがその分軽いので、あまりハードに使わなければ使いやすいレンズだと思います。
この年代のレンズはカビだけではなく、レンズの曇りやプラスチック部分の劣化などが見られる物も多く、中古でたくさん売っているレンズですので購入する際はできるだけ良いコンディションのものを選ぶと良いと思います。
眩しくて険しい顔になっているのは置いておいて・・・
中望遠なので人を撮るのにはちょうど良い画角です。順光では割と普通に撮れるのですが、逆光では色々問題が生じてきます。この写真ではレンズフードを付けていないせいもあり(持っていない)
- 写真全体がフレアで浅い感じになっている。
- ハイライトの周りにパープルフリンジ(紫の滲み)が発生している。
があるので、これをSILKYPIX DSP9で補正し仕上げて行きたいと思います。
デジタル対応以前のレンズでは、レンズの内面反射防止が弱かったり、レンズコーティングの性能が今ほど良くなかったりするのでこのような問題はこのレンズに限らずよく発生します。
SILKYPIX Developer Studio Pro9で補正
フリンジ除去
ノイズリダクションにある「フリンジ除去」でパープルフリンジを緩和します。
暗部のレベル補正
トーンカーブの左側を内側に動かすことで、フレアで浮いてしまった黒を締める事ができます。
あまり黒を締めすぎると、逆光の雰囲気が無くなってしまいますし硬い写真になってしまいます。ポイントはほんの少しだけフレアっぽさが残る位が好みです。
彩度
カラーの「彩度」を少し高めることで逆光で弱くなってしまった色彩を少し鮮やかにします。
SILKYPIX DSP9のレンズプロファイルを試す
SILKYPIX DSP9のレンズ収差補正の中に新しく搭載されているレンズの歪みを自動で補正する「レンズプロファイル」から「EF28-80mm F3.5-5.6 USM II」を探しましたが、「EF28-80mm F3.5-5.6 USM IV」しかありませんでした。試しに適用してみたところ普通に補正されているようでしたのでそのまま使っています。(付いているレンズと違うプロファイルをあえて使用する場合は自己責任で!)