昨年フォトギャラリーSpace Jingで開催された企画展「2017jingいろ色展」に出展させていただくために撮りおろしたものになります。
タイトルは「CITIZEN」で「市民」で人と人の繋がりをイメージした作品になります。
「Person=人」としなかったのは「組織の中の一個人」を表現したかったためです。
撮影について
撮影技法的には、半透明のアクリル板の上にサラダ油を敷き、そこにインクジェットプリンターのシアンインク(染料)を垂らして模様を作りました。
その模様は油がインクを弾くためにくっついたり離れたりしながら形を変えていきます。
その様子を見ながら板の上に石膏像を置いて撮った一発撮りの写真です。
デザインも兼ねて石膏像の顔の部分に後からPhotoshopでタイトルを入れました。
撮影のきっかけ
トレンドであったり、組織であったり最近の社会の動きがとても早く感じるようになって来ていました。
またそれが流動的で一箇所に留まっていないような気がしています。
特に「組織」などは絶対的なものではなくなり、その時の都合でくっついたり離れたりを繰り返して、躊躇無く形すら変えてしまう状況なのが最近ではないでしょうか?
社会の動きは人間関係の動きでもあると思います。そしてそれは相対的なものです。
仮に自分が同じ位置に留まっていようとしても周囲が変化することで自分の立ち居地は変化してしまいます。
油の上でくっついたり離れたり、大きさや形を変える青いインクを見ながら、
「同じ自分をキープするためには自分も状況に応じて動いていかなければならないのでしょうか?」
そんな事を思いながら制作を進めました。
青いインクは「組織/団体」をイメージしています。
石膏像は「一個人の象徴」として使っています。
テーブルトップフォトの楽しさ
テーブルトップフォトグラフィーは何も無いテーブルの上に自分でセットを組むところから始めます。
セットを組むにあたって、
「何を表現するか」や「何をモチーフとするか」
など考える部分、さらにそれらの被写体を
「どのように配置」して「どのような光で撮るか」
などアートディレクションの比重がとても大きく、
「全て自分で決められる」、「自分でコントロールできる」
ところが楽しさの一つです。その代わり、コンセプトも作画も
「全て自分の責任」になるため、その時のモチベーションや感性、撮影の技量がダイレクトに作品に出ます。
それを確かめるのにもたまに作品撮りをするようにしています。
インターネットラジオ「Blue radio.com」の熊谷正さんの番組では、そんなお話をさせていただいています。
オンエアは、3月20日と27日の20時から3ヶ月間無料でご視聴できます。
https://www.blue-radio.com/program/bjapan/