プロはRAWで撮らない?

 

最近「プロはRAW現像など画像処理に頼らない云々」の話題をどこかで見かけました。

「プロはRAWで撮らない?」と言うタイトルですが、誤解の無いように最初に結論から言うと、「どちらででもない」です。

まずこの記事中の「プロ」を自分なりに定義させていただくと、「仕事で撮影されている方」とさせていただきたいと思います。

その中には写真作家も営業写真館も広告写真家も含まれます。

 

目的に応じて使い分ける

最初に大きく分けると「写真を撮ってから販売している人達」と「依頼をされて撮る人達」に分かれます。

 

ストックフォトなどの写真作家さん達は日頃撮り貯めた写真の中からお客様のイメージするものを使っていただくことになるのではないかと思います。どちらかと言うと写真そのものを気に入ったら使っていただくスタイルです。例えば一枚の写真でも、A社とB社など複数のお客様が使いたい場合などもあるので、写真の「使用料」としての対価になる場合が多いのではないかと思います。ある意味予算的/仕上がり的には自由なのでRAWでもJPEGでもその方の好みで良いのではと思います。

 

営業写真館さんなどは、同じ撮影料なら一日に何組撮れるかで利益が決まるのでRAW現像の手間が減ればその分撮影に回せます。ただしRAW現像で調整しなくても良いように撮影環境や機材には徹底的にこだわっている方が多いです。そのためロケ程RAWの需要は多くないのかも知れません。これは「写真館」と言うある程度決められた環境の中での撮影でできるメリットですね。

最近はシチュエーションを演出したような屋外での撮影サービスも求められてきているのでその場合にはRAWの出番が増えるのかも知れません。

 

自分など商業写真や肖像写真を主に撮影している方は基本的に依頼を請けてから撮影を行います。依頼した時点ではどのような写真になるか実際に見れない訳ですからある程度こちらを信頼してオーダーしていただいていると思っています。写真一枚を見せると言うよりは雑誌やカタログ、WEBなどデザインの中に組み込まれていく写真ですので、露出やホワイトバランスなどは撮った後デザインの段階で微調整が入る場合も少なくありません。そのためイメージカットなどは後工程のデザイナーさんと打ち合わせして最終的な色調などを決めていく場合もあります。

ホワイトバランスなどは、誌面の背景が何色かによって見え方が変わってきてしまいます。そのためRAWで撮影し微調整する場合が多くなります。ただ、パソコンとカメラをつないで撮影し、お客様立会いで確認していただきその場で納品という事もあるのでその場合はJPEGをお渡しします。

 

 

まとめ

RAW現像しているから良いとかJPEG撮影だから手を抜いているとかではなくどちらでもよくて、その時の条件に合わせた最善な方法がどちらなのかを適切に選ぶことが大事です。

ただ、言えることは撮影条件がしょっちゅう変わるロケ(屋外)はRAWの方が安心です。

 

参考:背景の色による色の見え方の違い

これは感覚の問題なので個人差がありますが、クライアントのデザイナーさんなどは気にするところですね。

 

 

RAW現像ソフト SILKYPIX Developer Studio Pro8 / 8 USER’S GUIDE ユーザーズガイド