鉄展5と鉄展+が終了しました

ライブハウスなどで演奏した事がある方ならわかると思いますが、出演料を払えば演奏させてくれるものではなくデモテープを送ったり、イベントの企画書などを作ったりしながら箱のオーナーやマネージャーの許可を得て始めてステージに上がれるものです。もちろん内容は良くても、その箱のコンセプトに合っていなかったり集客が見込めない場合などはお断りされる場合だってあります。

写真展も同様に、ギャラリーの賛同があってこそ開催できるもので基本的に内容やクオリティの担保が無くてもOKと言う所は一部公共機関のスペースなどに限られるのではないでしょうか?

この度の「鉄展5&鉄展+」でSpace Jingでの鉄展シリーズは終了となります。コンセプトに賛同いただき、ご協力していただいたオーナーの中澤さんには感謝いたします。またそれだけでなく、写真展全体のコンセプトをご理解いただき、引き上げていただきました。

 

鉄展/2014年6月 高田馬場 三日月ギャラリー

高田馬場にあった26の月言うギャラリーバーに併設されていた三日月ギャラリーで第一回目の鉄展は開催されました。26の月のカウンターで飲んでいたところオーナー様から、お店を閉める(閉店する)前に2週間会場が空いているので企画展をと言うお話をいただきました。お店の常連様にも鉄道写真好きな方が何名か居たので鉄道の写真展を開催する話の流れになりました。募集を行うのでその場で企画名を考えて欲しいと言われ、なんとなく出たのが「鉄展」です。実はこの少し前に「国展」と言う美術の展示会を見に行っていたので多分その記憶からだと思います。

Space Jingの1/3程の壁面でしたが、前期13名、後期13名。特にグループでも何でもない方同士の写真が搬入日当日壁に掛けられました。現在の鉄展にも通じるところですが、「鉄展」の予定調和の無いライブ感と言うのは初回から既にあったと思います。とにかく明らかに違うスタイルの色々な写真が並びました。
その後すぐに三日月ギャラリーは閉店となります。
実はその初代鉄展を見に来てくれたのがSpace Jingのオーナー中澤さんでした。

 

鉄展2/2014年12月 Space Jing

好評だった初代鉄展が終わり、2回目を開催して欲しいと出展者やご来場者の方からリクエストをいただき会場に悩んでいたところ、Space Jingの中澤さんからお声掛けをいただきました。「写真全般」の中で見ると、鉄道写真は専門性が高く、割りとテーマと言うよりは被写体に偏った分野です。Jing自体は鉄道好き以外にも様々なお客様が常連様でご来場しますので、その方々にも満足いただけるか若干不安ではありましたが、ご好意に甘えJingでの「鉄展2」の開催となりました。「プリントサイズや点数など、縛りがきつくなると出展者の自由な発想の阻害になる可能性があるのでできるだけ自由な発想で」と言うJingスタイルはこの時からのものです。(毎回全部壁に掛けられるかどうか実行委員会としては搬入日にハラハラしていましたが。)

 

鉄展3/2015年12月 Space Jing

たしかこの時にはFacebookからだけで、募集開始2~3時間で約30名の出展者が埋まってしまいました。(出展できなかった方にはご迷惑をおかけいたしました。)
3回目の開催となり、会場も地の利の良い場所にあるのでたくさんの方に見ていただきたいとの思いもあり、実行委員会としてはメディア向けのプレスに力を入れました。
その甲斐あって、かなり来場者集も多い展示だったと思います。

 

鉄展4/2016年12月 Space Jing

「鉄展3」を見に来てくれた若手の写真愛好家や初心者の方に声を掛けたり、プロのカメラマンで鉄道写真が好きな方など少し展示の幅を広げるようにしました。
この頃位から、展示の方法や額装、写真に合う紙の選び方など、色々遊べる方も増えてきたように感じます。

 

鉄展+(Vol.1)/2017年3月 Space Jing

鉄展4が抽選だったため、抽選に外れた方と鉄展4をご覧になり出展ご希望の方で急遽「鉄展+」を企画しました。当初のコンセプトは鉄展のエントリー向け企画展を想定していましたが、出展希望者の顔ぶれを見るとベテランの方が多く、結果的に従来の鉄展と同じコンセプトになったと言う裏話などもあります。

 

鉄展5、鉄展+(Vol.2)/2017年12月 Space Jing

お世話になったSpace Jing最後の鉄展シリーズとなりました。出展応募者が多数となったため、会期を2週間とし、鉄展と鉄展+を同時開催しました。初の海外からの出展もあったり、20歳代の参加者が増えるなど出展者側にも広がりが見られた展示となりました。

 

7回の開催を終えた鉄展シリーズですが、長らくお世話になったJingの終了に伴い今後どのようにするのかを検討する必要があります。

冒頭申し上げた通り、写真展はギャラリーと出展側お互いの合意の下成り立つものです。会場が変わることで運用面もコストもレギュレーションなども変わるのでは無いかとは思いますが、現在の鉄展の良い部分を活かせるように考えたいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。